南都聖和会との交流会開催
南都六大寺(興福寺・西大寺・唐招提寺・東大寺・法隆寺・薬師寺)の青年僧侶で組織される隣山会青年部の南都聖和会と当会は昭和六十年より交流を開始しており平成十一年よりは毎年この時期に研修会を兼ねた親睦交流を重ねております。
両会が隔年で企画幹事をつとめており、今年は当会が幹事として進めさせていただき、11月9日、神武天皇二千六百年祭を控え境内整備を進められて いる橿原神宮での参拝研修を実施致しました。現在、御本殿は三十九年振りに御屋根檜皮根葺き替え工事中であり、御霊代は仮殿となっている幣殿にお鎮まりになっていることから、普段一般では目に触れる機会のない立ち入れない御垣内の間近にて特別に拝観する機会を得ました。御本殿は安政二年建築と伝わり約一六〇年前に京都御所の内待所(賢所)であったものを、同神宮御創建の明治二十三年に明治天皇の御聖慮により御本殿として移築されたもので、文化財的にも貴重なことから国の重要文化財に指定されております。橿原神宮権禰宜で当会の多田佳史事務局長より平素の御奉仕の様子から社殿の特徴まで詳しく説明を頂きました。また昭和四十三年に、織田家旧柳本藩邸の表向御殿を同神宮境内に移築、復元した文華殿の拝観も続いて実施。江戸時代末期の天保十五年に建立された屋形の一部分で、一万石藩邸の遺構として珍しい存在としてこちらも重要文化財に指定されており、当時の武家の生活様式について学ぶなど神職・僧侶を問わず境内の維持管理、整備については関心が高かったようであり、有意義で時宜を得た研修会となりました。
その後、同神宮近くに隣接する橿原観光ホテルに場所移しての懇親会が行われ、神仏談義に花を咲かせ夜の更けるまで大いに親睦を深めました。奈良の地で伝統文化を継承する者どうしが互いに研鑽を深め、これからも社会貢献の一助となるべく交流が続くことを約して散会。来年は南都聖和会の皆様による交流会を実施予定です。