2017年05月16日 徒然日記

神武天皇二千六百年記念事業「世界平和祈願祭」

二月二十日・二十一日、八紘之基柱前並びに宮崎神宮に於いて、神道青年全国協議会主催による神武天皇二千六百年記念事業「世界平和祈願祭」が斎行され、全国から一一三名の会員が参列した。奈良県神道青年会は平成二十六年より宮崎県神道青年会と姉妹神青として交流を初めており、同交流も兼ねて四名が出席した。

二十日は午前中より荒天に見舞われ、飛行機が遅れる等交通機関に影響があり、集合時間に間に合わない者もあった。午後二時、宮崎神宮会館に集合した出席者へ、神青協長友安隆会長が挨拶され、急遽二日目の祭場が変更された経緯やこの事業に対する想いを述べられた。その後、会員一同宮崎神宮の大前に於いて正式参拝を執り行い、この事業の成功を祈念した。続いて、宮崎市の平和台公園内に位置する八紘之基柱(現平和の塔)へ移動。この塔は罪穢を祓う御幣の形を模しており、昭和十五年の紀元二千六百年奉祝記念事業の一環として、宮崎県奉祝会(代表仝県相川勝六知事)による事業として、「八紘一宇の精神を体現した日本一の塔」を作る事とし、昭和十四年より着工、延べ約六万人の労働により翌年に完成した。
午後四時には全ての準備が整い八紘之基柱前で祭典が執り行われた。引続き神賑行事として、熊本県神道青年会による肥後神楽「四剣」、長崎県神道青年会による平戸神楽「二剣」、神道青年九州地区協議会による舞楽「抜頭」が奉納された。冷え込む中ではあったが多くの道行く方も足を止めて観賞され、午後六時過ぎに全日程が執り納められた。その後、バスにて宮崎観光ホテルへ移動し、九州地区主催にて懇親会が設けられ、再会を祝う等和やかな雰囲気のもと、それぞれが懇親を深めた後、各々明日の祈願祭に備えた。
翌朝二十一日、前日の荒天は嘘のように晴れ、暖かな春のような日差しのもと、午前七時に宮崎神宮会館に集合。祭員は斎服を着装し、参列者は白衣白袴に改服した。定刻、一同大前に参進し宮崎神宮杉田宮司を斎主に以下祭員三十二名、伶人七名、舞人四名の奉仕により世界平和祈願祭が斎行された。神青協を代表し長友会長が祭詞を奏上し、参列の会員も心を一つに祈りを捧げ、祭典は厳粛且つ盛大に執り納められた。改服の後、名残惜しくも再会を誓い、それぞれ帰路へ着いた。

2017年05月16日 徒然日記

神道青年全国協議会平成28年度中央研修会

3月23日・24日の日程で「神道青年全国協議会」が主催する中央研修会が広島の地で開催され、当会からも6名が出席した。この研修会の主題として「平和の希求 ~進むべき未来の道筋~ 」が掲げられ、真の平和とは何かを考究し、直面する危機への在り方、進むべき道を検証することに加え、先人達の遺志、そして平和を切望する広島の記憶を共有し、これを後世へと受継ぐことを趣旨とした。
一日目の開講式には多くの御来賓に御臨席戴き、代表して広島県神社庁川通泰庁長にご祝辞を頂戴した。第一講は講師ケント・ギルバート先生(カリフォルニア州弁護士)・演題「真の平和を実現するために」として「これからの日本を考えるには、戦後を考えると良い。そしてメディアより与えられる情報だけではなく自ら情報を得て、多角的に物事を検証し見極める力を養う必要がある。そして自虐的史観から脱却する為に、たくさんある日本の素晴らしいところを学び誇りを持って伝えるべきだ。」と講演頂いた。
第二講は講師戸髙一成先生(呉市海事歴史科学館・大和ミュージアム館長)・演題「戦後七十年と平和」として、大和ミュージアム開館までのプロセスや収集された資料、これまでお話を伺った元兵士の体験談等をもとに、「戦争を知らない世代が次世代に伝える時代、正しい資料が正しい結論に導いてくれる。物事は良い面と悪い面があって両方知って知るということになる。精密な戦艦大和の模型を展示するのはカッコ良さの裏にある背景に興味を持ってもらう目的もあり、素晴らしい技術も使い方によって結果が変わるということ。大和は技術のシンボルであり、使い方を間違ったシンボルでもある。」と講演いただいた。特に印象的だったことは「人間は、泳いでは魚に負け、走っては動物に負け、鳥の様に飛べない。しかし、考える事ができる。戦争を知らない世代が次世代に伝えることは難しいが、考える力がある限り出来ないことはない。戦争はあってはならないからこそ、多くの人がその史実に耳を傾けなければならない。」と仰ったこと。
この後は、広島県神道青年会による趣向を凝らした余興を楽しみながら、和やかな雰囲気のもと懇親会が開催された。

 

 

二日目は午前8時に受講者全員で広島平和記念公園内原爆死没者慰霊碑前で黙祷し原爆で亡くなられた御霊らが安らかならん事を祈念し神式で拝礼した。その後、三講目、講師志賀賢治先生(広島平和記念資料館館長)・演題「記憶の継承」として、1945年8月6日午前8時15分に何が起こったか、当時の写真の多くがアメリカやイギリスに持ち帰られていること、資料館が出来た経緯、展示資料への思いや現在改修中の資料館の今後の展示計画等をもとに講演頂いた。特に印象的だったことは、当然ながら展示資料も被爆しその状態からさらに経年によって劣化してきていること、また以前他県で講演された際、広島出身の女子学生から御礼の手紙を頂いたこと、その内容は「子供のころから何度となく平和についての勉強を学校で受けてきて正直いつもと同じ様なことだと思った。しかし、今日は自分と同じ年代の方が原爆の犠牲になったという実話を聴き、自分と重なって歴史の勉強ではなく現実として感じた」というものだった。

以上三人の御講師に講演を頂き、子供を持つ親としても次世代へ平和を継承する為にも慨深いものがあり有意義な研修会であった。またこの研修会の初日、早朝の広島平和記念公園内原爆死没者慰霊碑前での風景は、早朝の散歩をされる方や、通勤の方、青年等が手を合わせたり一礼する姿が印象的であり、資料館のデジタル時計は原爆投下から過ぎた日数(26162日)と最後に核実験が行われた日数(195日)が表示されていた。
次回は、平成30年3月7日、8日は九州地区が主管し、長崎県は佐世保市にあるハウステンボスで開催される。